公開デモンストレーション
2月26日(金)にUrBANGUILD Kyoto で行われた
『公開デモンストレーション』の様子をお伝えいたします!
ダイジェスト映像
〜「ふりむいて東山」統括 竹ち代毬也による記録 〜
「ふりむいて東山」公開デモンストレーション
日時:2021年2月26日(金)15:00~20:00
場所:アバンギルド
参加:宇野愛生、黒田健太、きたまり、北村成美、竹ち代毬也
隅地茉歩(15:00~17:30)
川瀬亜衣(19:30(?)~終わりまで)
15:00~16:00
お客さんは茉歩さんと女性が一人(ボクは知らないけど、しげやんの他何人かは知ってる方)を相手に竹ち代が「ふりむいて東山」の企画説明を行いました。(その後2~3人が遅れて入ってきたり、帰られたり)
しげやんから〈もらう〉時間。
しげやんの作品「ラベンダー」の一部を二人に振付。
先ずは実際にしげやんが踊ってみんなに見せてくれました。黒田君は「お~、振りが多いなぁ~」と思ったそうです。
7つあるシーンの頭から順に振付の指導がはじまる。振付の動きには人と共有出来るようにタイトル的なネーミングが付けられています。「暴力的な整体師」「アイドル」「3千頭の馬」「自分が馬になる」「浅田真央」などなど、ほぼ全ての動きにネーミングがされていて、振りを移す時に動きのイメージがしやすいためだと思ったけど、逆に結びつかないのもあった。(まぁそれはそれで)でもしげやんからの体を使うポイントの指示と、ネーミングの解説と同時に動きのイメージを伝える姿勢がきめ細く て熱心で、そんな時間が二人にもちゃんと響いて良い時間が作れたと思います。
そんな時間が作れたからこそ、とにかく食らいついて覚えようとする二人に対して言葉の説明だけでは無く、曲をかけて一緒に踊って肌で伝えようとする姿勢がステキでした。また振付の事だけでなく、「ラベンダー」をつくった当時のしげやんの話を聞けたことも良かったと思います。
これが約20年前に出来た作品。
その踊りを、自分達が振付されて今これから踊ること。
映像や本などのアーカイブ資料では知りえない、感じられない事も〈もらう〉。思い出話を聞くのではなく、その本人が今も踊っている事。そんな「さきがけ世代」の時間の幅と言うか厚みを感じました。また、公開デモンストレーションという事でお客さんに見られていた事も良かったのでは?とも思いました。
※ボクがFacebookで、5つのシーンと投稿しましたが実際には7つのシーンでした。すいませんです。
また17:30ごろ茉歩さんがアバンギルドを出られる時に「竹さん、ドキュメントどんな形で残されます?映像もまた見たいです。すいませんが先に失礼します。」と言われた後に、ボクがデモンストレーションのドキュメント係だったことを思い出しました。なのでこれ以前のメモや記録をまったく出来てませんでした。すいませんです。
少し休憩
16:00~19:00
ナビゲーターのきたまりと〈つくる〉時間。
例えば走る動きに対してきたまりは「あなたはどこを、どんな風に走ってますか?」と問う。「しげやんはこの動きをアイドルって説明してたけど、あなたのアイドルはどんな動きですか?」と問う。「ここまでは人としての動きなのに、ここから急に馬になるってどういう事やろね?いつ馬になってるのかな?」ときたまり自身の疑問も二人に問う。
しげやんからもらった振りや動きを、本人では無くあえて他者のきたまりがしげやんの振付を客観的に見て、二人に「これってどう思う?」と投げかける。つくる時間ではあるけどナビゲーターから次々と「なぜ?とか、どう?」と言った問いが投げかけられる。それに対して二人は自分の感じたイメージを言葉で答える。
ではそれを体でやって見て下さいと問いかけられる。
二人はそれを体でどうできるだろう?と体を動かして確認する。イヤこれは違うなぁ~とか、これは近いのかも?と自身に問う。もらった振付が自分の踊りになっているのか?違うのか?を確かめながら〈つくる〉。
もちろん正解はない。
きたまりからの問いに対して、自身の体に問う事で振付が踊りに少し変わっていく時間でした。
少し休憩
最後はお客さんの前で〈みがく〉時間。
〈本番の構成〉
竹ち代「ふりむいて東山」の企画説明
しげやんの紹介
宇野愛生、無音で振付を1回踊る
良き所で竹ち代はける
愛生終わりで曲(約3分)がかかったら
黒田健太振付を1回踊る
曲無くなって無音
愛生と黒田
しげやんの振付の事について無言で会話する
良き所で竹ち代入って愛生と黒田の紹介をする
良き所で曲が5回連続でかかる
愛生と黒田は振付を全て踊っても良いし、
一部を繰り返しても良い。
踊らなくても良いし、はけても良い。
竹ち代としげやんは適当に。
曲が5回かけきったら暗転。
・・・
本番では竹ち代が「ふりむいて東山」の企画説明~しげやんの紹介になってから愛生ちゃんがソロを踊るのに、すでにしげやんが舞台上にいたり。愛生ちゃんのソロ終わりで曲がかかって黒田君につながるはずが愛生ちゃんのソロの途中で曲がかかったり。色々なイレギュラーがあったけど愛生ちゃんと黒田君はしっかりとそれを受けて対応出来ていた。
出演者個々の判断や在り方で舞台に立っていたのが良かった。
このデモンストレーションでは沢山の問いと、答えと、問いが繰り返された。問いは算数のように一つの正解を求めるのではなくて、無数の可能性を広げるための問いだった。答えはあくまでも今判断できる範囲内であって、揺るぎない絶対的なものでは無い答えだった。
むしろ終わってから新たな問いを生むための答えだったかもしれない。
そんな事を想い、そんな場に豊かさを感じれたのはさきがけ世代、みふれる世代、うぶごえ世代がこの短い時間の中で作り上げた関係性だと思った。
世代とか関係なくダンサーとして、表現者としてお互いをリスペクトする事が出来たからこそ現れたステキで豊かな時間でした。